ブルベ

初ブルベ300km挑戦の軌跡〜ポンコツの立志〜


2018.4.28 ~ 4.29


ブルベ300km 完走しました。


自己顕示欲の権化である私が、誰にも言わずに、ひとりで。



初ブルベ完走までの軌跡をここに赤裸々に綴っていこうと思います。
(いつもライドレポは長くなりすぎて書いている途中で飽きるので、細かくアップしていきます)



〜 ブルベ参加のきっかけ〜


ただの思いつきです。


最近私はこんな思いを抱えていました。


image「楽しむ」と「挑戦する」を同時に出来るのが、スポーツの良いところ。「楽しむ」という側面はグループライドや単騎探検ライドなどそれなりに充実しているように思うが、「挑戦する」というのはどうだろう…。そう言えば、日常生活も含め、最近何かに挑戦したことがあっただろうか?



image気候も良くなったしナイトライドしたい。以前迷子になって、山の中で日が暮れてしまったことがあったな。暗くて怖かったけど、静かで美しくもあった。一人で行くのは危ない。かと言って付き合ってくれる人もいないし。


      
image私の周りはキャラが濃い。グループの中に「ストラバの人、レース勝つ人、ダンシングの人、クライマー、スプリンター、メカニック、アニオタ、カレー通、美尻」等…揃いも揃っている。その中で私の肩書きは、強いて言えばツイッターの人。ダメだ、私も何か特色を出さねば、モブ確定だ!



なにかに挑戦したい、ナイトライドしたい、キャラ立てしたい、そして何よりドヤりたい……



imageそうだ!!ブルベに出よう!!!




このような流れから、AJ福岡のサイトを見てみると、GWに日程と集合場所が合うコースが見つかりました。



ただ問題は



image300kmか…。




私の最長ライドは240km(福島ライド)。しかしそれは時間制限など一切ない中で、遊びながら走った結果、走行距離が伸びてしまったというものです。過去ひとりブルベごっこをしたことがありますが、AVG.15kmを守り、200km走ることがいかに過酷であるかは身を以て体験済みです。その上、今回は自己最長記録を大きく上回る未知の領域300km。


image完走できる自信ない( ;∀;)





image誰にも言わずに参加しよう。
リタイアしたら、そのままなかったことにしよう。




思い立ったが吉日。AJ福岡のHP確認した翌日には、スポーツエントリーから申し込み完了しました。

参加費1,500円➕クレジット決済200円=1,700円



imageわー!!!申し込んじゃった!そうかそうか、あと三週間後、私、ブルベに出るのか!300km走るのか!!大丈夫かな?トレーニングとかしたほうがいいのかな?何を持っていけばいいのかな?あわわわわ


挑戦する、その決意をした瞬間から、世界は色を変えた!!!





予告

次回のきみと激坂は「クレメル、ブルベに向けて準備する」の巻




もう後には引けないっ!勝つのは悪魔かプライドか!? ひとりブルベごっこ200

今年の目標に「ブルベに出てみる」というものを上げてみましたが、果たして私にブルベに参加する走力があるのかどうか。
その検証にひとりブルベごっこを行い、見事タイムアウトでDNFしたのが二週間前。

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悔しさと情けなさ、そしてロングライドに新たな自転車の魅力を感じ、二度目のひとりブルベを決行致しました。えぇ、懲りないオンナです。

コースはこちら
(過去開催されたブルベのコースで、私は博多駅付近からスタートしました。)



前回と同じコースを走るのもなんだか味気ないので、自宅からアクセスしやすい別コースを選択。
獲得標高は多いのですが、走り慣れた道が多く、最高地点にあたる白糸の滝も「脚がもげる」と分かっているので、ある意味安心です。

ブルベのコースは、本当に走り慣れた人が作ってくれていて、“信号や渋滞が少ない、路側帯が広めでトラックに追い立てられることが少ない道”が採用されていることが多い様に思います。ブルベに限らず、今後のライドにも採用したいルートがたくさん。

今回もガミンチョ(ガーミン520)が大活躍!ガミンチョが我が家にやってきてから私のライドは確実に変わったのでその辺りもいずれ書きたいと思います。

スタートは少し遅めの9時。
あまり緊張しない様に、「時間には拘らず完走出来るといいなー」くらいの緩い感じで漕ぎ出しました。

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(今回は写真少ないので、ツイートとともに振り返りたいと思います。)

市街地を抜け福岡ローディーのサンクチュアリ糸島へ。海沿いの風の強さは想定済み。これまで向かい風を避けて、山に行くことが多かったので前回は耐性がなく、風に泣きましたが、今回は大丈夫!心折れない様に、慌てず騒がずクランクを回します。海が美しい。

海風を受けながら、信号が全くない開放的な道をひた走り、今回の一番の山場である白糸の滝への登りに差し掛かった時、Avg.18km。ブルベの制限時間をこなすにはAvg.15km以上をキープしなければなりません。

白糸の滝までは何度か登ったことがあります。だから知ってます。めっちゃキツいって。

とにかくこれまでの時間貯金を出来るだけ守り、AVG.15kmを切らない様に頑張ります。

200mくらい登って…

ゼェハァゼェハァ…こ、こんなに坂ってキツかったっけ(泣)

これまでのヒルクライムは時間など気にせず、途中で写真を撮ったり、見たこと無い植物を観察したり、ツイートしたりと遊びながらだったので、時間に追われるヒルクライムは初経験。なんだかやたらと腰も痛いし。

激坂は無くガミンチョの示す斜度は8.5〜9.5くらい。時速9kmでやっとのこと進んできますが、少しずつ下がっていくアベレージが悲しい。

力が入らず、たまらず自転車を降りること数回。

はっ!!補給も足りてないかも?!
普段よりも早いペースで来たのでうっかりしていましたが、これまで65km走って175kcalの補給食ひとつのみ。慌てて持っていた板チョコ半分を食べました。
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「どうか登りが終わるまで、AVG.15kmを切らないで〜」祈りにも似た気持ちで、半ベソかきながらなんとか登頂。AVG15.8km。

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なんとか守り抜けたー(´;ω;`)

その後もおかわりヒルクラで顔色が青紫色になりましたが、これもどうにかクリア。

ここで補給問題が勃発。完全に手持ちの補給食が足りていません。この後の三瀬峠までの間に、物産館があったはずなので、どうにかそこまで持ちます様に…。

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物産館に辿り着いた時は、もう本当にヘロヘロでした。

メロンパンとカレーパン!!
生き返るー!!!!!
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しかしここでサドルを降りて、のんびり休憩することは許されません。前回はAvg.15kmがどれくらいのペースなのか分からず、休憩を多く取ってしまったことも大きな敗因のひとつだったので、今回は「出来るだけサドルを降りない」を誓っていました。カレーパンをポケットに入れ、メロンパンは半分握りしめながら、食いちぎる様にして、ヨロヨロと三瀬トンネルまで登ります。

なんでこんなことしてんの(笑)ひとりで(笑)

三瀬峠を下ったあたりで100km。はぁ〜これで半分か…。でも普段のライドならこの倍の時間をかけているので、頑張れば私でもこんなに速く100km走れるんだな(あくまで自分比)と妙な充実感と達成感があります。

そのまま平坦かと思いきや、微妙なアップダウンを繰り返し、太宰府に着いた時には再度ぐったり。

常時ハンガーノック気味な私の頭に悪魔の声が囁きます。

「YOU もう結構がんばったじゃん。もう家、帰っちゃえよ〜。ここから近いじゃんよ〜。」

しばし立ち止まる私。

130km…。普段より多く乗ってる…。充分乗ってる。
「ファンライドだった」ってことにすれば…。

否!!!!!!

ツイートしてしまったんだ!!200km走るって!!がんばれって言ってくれた人もいるんだ!!ここで「やっぱナシで〜」なんて格好悪い!!
口ばっかしのショボい奴wwwってなるのは嫌だぁぁぁぁ!!



もう後に引けない!見せてやろうぜ30over女の散り様!!

ささやかなプライドが肉体の限界をほんの少し超え、続投を決意。
ここから先はJRへのアクセスも悪いため、途中でDNFして輪行に切り替えるのも至難...。最後まで行くしかない。

そんな決意から5kmで目の前に現れし米の山峠 (305mup)

死んだッッッ!!!!!

斜度10%を超えるような箇所はなく、普段であれば足つきなしで登れる峠ですが...。

鉛と化した大腿四頭筋、液状化した体幹ではインナーローでも進めない...。

堪らず足を着く度に、

(くそっ!許すまじ!坂、許すまじ!私がユンボを買ったら、真面目にお前ら平にしてやる!綺麗に整地したあと、上から目線で指差して「あれれwどしちゃったわけw 君、平ぺったくねwww?」って笑ってやる!)

自分でも知らなかったどす黒い狂気に身震いしながら、なんとか米の山峠をクリア...。

カレーパンが消化されずに胃の中でもたついてるので、何か食べる気にもならないけれど、カロリーメイト(チーズ)を少しづつ流し込み、平地を進みます。これまで食べてきたものを思い起こしても、補給が足りてないことは明らか。今まではライドの途中でランチをしっかり食べてたので、それほど補給にはシビアでなかったのですが、サドルを降りれない以上、持ち回る補給食にはもっと注意を払っていかなければならないと、溶けかけた脳に記憶します。

時刻は18時を回り、だんだん日が暮れてきました。薄暗くなるに従い、気温も下がり始めました。 周りのだだっ広い田んぼが、ただの“黒い空間”に変わり、遠くに見えていた山の稜線が夜の闇に滲んできます。

怖えええよ(TдT)!!

しかし心細さと裏腹に、妙な高揚感が沸き上がります。

視覚からの情報が失われると、他の感覚が鋭くなるのか、アスファルトから伝わる振動で震える指先や、自分の息遣いに合わせて収縮する肺、鼻腔を通り抜ける濃い緑の混じった空気の温度さえも、明確に感じられる...。感覚が研ぎ澄まされ、日常生活で散漫になっている精神が、静かに一本に整ってゆく...。
言葉にするのは難しいのですが、心細さとドキドキを胸に抱え、頭は冷静にしんと静まっている不思議な感覚です。ロードバイクで出かけると非日常のオンパレードですが、夜の田舎道はその極みではないかと思います。

日は完全に暮れても、まだ夜7時。仕事終わりの地元の人の車が時折通り過ぎ、人の気配にホッとしたりを繰り返して、漸く150km。

前回DNFしたのが150km地点。ここからは未知の世界です。

(あと50km、3時間ちょっと...どうにかいけそうだ)

しかし非情にもガミンチョが告げてきます。

「アト、120mupシテネ☆」

(・・・・・・。)

もう悪態つく気力もないので、ただライトの照らし出す路面を、虚ろな目で見つめながらクランクを回すのみ。もうキツいとか、苦しいなどとは感じません。



そして180km。もうゴールは目の前。残りは平坦。

ここから... 記憶がありませんwww

たぶん自転車を漕いだのだと思います。もしくは昇天しかけて、天使に牽いてもらったのかもしれません。どこをどう走ったのか…覚えていません...。

そろそろかな、とガミンチョのバックライトをつけてみると、201kmに差し掛かるところでした。

ゴール!! 

時間12時間44分 Avg.15.8km
(ブルベ200kmの制限時間は13時間30分)


家までのんびり帰り、最終結果はこちら

image

正直、私の基礎体力、ポテンシャルでは200kmを走り抜くには一歩足りない感がありました。どうにか完走することが出来たのは、途中で戴いたリプライやいいねがあってこそだったと思います。誰にも言わずに独りでトライしたなら、悪魔の甘いささやきに誘われて間違いなくやめていました。帰り着いてからもヘロヘロであまりお返事できませんでしたが、ぼっちローディーの無謀な挑戦にお付き合い頂きありがとうございました\(^^)/

走り終えてよく分かったのはブルベの制限時間の巧妙さ
200kmの制限時間は13時間30分。Avg.15km。 私のように平坦25~28km/h、登り8~9km/hの弱き者も、サドルを降りない工夫をして、補給も休憩もサドルの上とし、クランクを回し続けれる努力をすればクリアすることの出来る時間設定が憎いです。

またロングライドにあたり具体的な課題も見えて来ました。 先ずは補給食。自転車を降りないためには補給食をある程度持ち回る必要があるのですが、それをどこに入れるか。ウエストポーチはあまり重くすると腰が痛いし、サドルバックに入れると、いちいち自転車を降りて取り出さないといけない...。装備の見直しが必要です。

また自転車を降りないと言っても、そのサドルに問題あり。前々から気になっていたお股の痛みが、ロングライドで顕著に現れてきました。痛くて漕げないという訳ではないのですが、圧迫痛による居心地の悪さにストレスが溜まって仕方ありません。本格的にNEWサドルを探す必要があるようです。
(前後しますが、このひとりブルベの数日後、購入したサドルのインプレはこちら )

何はともあれ、200kmを走り抜き、次は本番!といきたいところですが、春に前泊不要の福岡発200kmが見当たらないので、もう少し先になるかもしれません。まだ少し不安要素も残るため、あと二、三回はひとりブルベごっこを開催しようかなと思います。 その際、お暇がありましたらまたTwitterでお付き合い下さいませ(*´∇`*)

corratec DOLOMITI に乗ってます。 貧乏・貧脚・貧メンタル。激坂手前ですでに半泣きですが、愛機 蜂蜜号と楽しくライドしています。小心者な昭和の女。ぼっち活動を得意としています。 どうぞ仲良くしてください。
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