人生にワクワク感が足りない
探検したい
そうだ!島に行こう
向かうは加唐島(かからしま)
( ↑ 地図には加部島と書かれていますが、それとは別の島)
地図を眺めていて、ビビッときた。その理由だけで決めました。こういう時は直感が大切。
呼子港からフェリーが出ているようなので、船会社に電話してみると自転車持ち込みOK とのこと。ヤッター!!
前日に乗り場の下見を兼ねて、呼子まで来ていたので迷うことなく到着。
8時出航。
到着時7時40分ですが、もうすでに船は来ており、続々とガチ釣り人が乗り込んでいました。
テンションあがる!!!
船員のお兄さんが感じよく、「ここに立てかけてください」と案内してくれました。
釣り人の荷物がすごい!!
外見は予想よりも小さかったのですが、中は暖房が効いている客室があり、奥には小さいながらもカーペット敷きの小部屋もあり、きちんとフェリーでした。
天気予報では19度まで気温が上がるとのことでしたが、朝はまだ少し肌寒い。でもせっかくの船旅、
デッキでモーニングするっきゃないっしょ!!
朝日を受けてキラキラ光る海面に、船の通った跡が白い泡の帯となって広がっていきます。埠頭には釣り人が鈴なり。みんな何を釣ってるんだろうか?
船代は船内で係員さんが集めに来ます。
呼子からフェリーで片道17分。大人往復970円、自転車持ち込み往復380円。輪講袋に入れる必要はなし。私は輪行準備の早さだけは自信があり、5分以内に袋詰めできますが、それでもそのまま載せられるという気軽さは大きいです。
往復券は帰りに回収されるので無くさないように。自転車用のチケットなどは特になし。
たった17分の乗船時間ですが、
海、渡ってます、私。
旅感、ハンパねぇ!!!!!!!
大海原を眺めながらの、朝食のパンとコーヒーがこんなにも贅沢だとは…。
程なくして前方に島が見えて来ました。あの島に違いない。
加唐島、上陸!!!!!
フェリーを降りて速攻
第一 島猫、発見!!
何を隠そうこの加唐島、猫の島なのです。
島民約200人より、猫の方が多いという噂もあながち嘘ではないかもしれません。
島の人や釣り人に声をかけられ、にゃーと返事をしていました。
お!!ここにも!!
ご飯もしっかり持参しました。
船着き場の目の前には、観光案内の看板と待合室があります。
ノスタルジックな待合室の雰囲気がたまりません。早めに港に帰り着いたら、ここでのんびりするのも良さそうです。
観光案内の看板を眺めていると、原付に乗ったじいちゃんが、私の横で止まり、人懐っこい笑顔で話しかけて来ました。
じい様: あらー、こげんとこまで、自転車で一人で来たっと?
クレメル: はい、初めて来ました
じい様: どこさ、行くとね?
クレメル: なんも決めとらんけど、とりあえず、一番上の灯台まで行こうかと思って。
そう伝えると看板を使って、「この道を行くとよか」「ここに看板があっけん」など、詳しく教えてくれました。
観光案内の看板の横にはそこそこの斜度の坂があり、
じい様: 初めはこげな坂やけん、キツかばってん、(看板の真ん中あたりを指しながら)この辺からは、そげんなかし、帰りはこっち側さ通ったら良かけんね
クレメル: おおなるほど!初めに聞いておいて良かった! それにしても、猫が多いって聞いとったですけど、本当に多かですね。
じい様: 島の人は、猫ば大切にすっけんね〜。犬はおらんよ。猫は時化(しけ)を教えてくれたり、すっけんね。
なるほど、漁業で生計を立てる島に猫が多いのは、こういう理由もあるのかもしれない。
島の住民との交流…ハートフル!!
旅番組感、出た!!
着いて早々、ほっこりとしたところで、いよいよ島探検、スタートです。
スタートから200m
坂がきついwwwww
激坂ではありませんが、瞬間的に斜度が10%超える箇所があり、ライド不足で坂に対する抗体がゼロになっている私に、容赦無く繰り出される斜度攻撃。
幼女に変身。
解き放たれよ、34Tインナーロー!!!
(今度34T導入の話も書こうかな)
回せないのではない、回さないのだ。せっかくの島探検、大切な“何か”を見落とさないために、敢えてスピードを落とすためのインナーローなのだ!!!嘘です。脚めっちゃキツイです。
港周辺に民家が集中していて、ちょっと進むと畑ばかり。ひと気のない道を、ひとり静かに進みます。
本当に
人っ子一人いねぇww
人の気配はありませんが、全然さみしく感じさせないのは、こだまする鳥の声のせいでしょう。
やかましいwww
ここは猫の島であり、鳥の楽園でもあるようです。
ルートなどは特に気にせず、なんとなく、こっちが灯台っぽいっという第六感だけを頼りに進みます。
突如現れるグラベルステージ!
からの、行き止まりwww
そんな行き当たりばったりも、楽しいものです。
来るまで知らなかったのですが、この島は椿でも有名らしく、島内の至るところに椿の木が植えてありました。私が訪れた3月18日は、椿園の椿は見頃を少し過ぎていましたが、それでも道中、たくさんの花を見ることができました。椿油も多く取れるようです。
ついに最北端の灯台に到着。
絶景かな
ここでお昼ご飯にしましょう。
前日の残りご飯をおにぎりにして持参。
内心、食事場所か小さな商店くらいはあるだろうとタカを括っていました。しかしここまで、商店どころか自販機もなし。もしこのおにぎりがなかったら、今頃私は完全に鳥の餌になっていたに違いありません。
飯がうめぇ!!
30分くらい崖っぷちに佇んで、広い大海原を眺めていました。
人生を振り返るにはこれ以上ないロケーションのように見えますが、正直、何にも考えていませんでした。
いや、というか何にも考えられない。何か考え事があったり、心にかかることがあったはずなのですが、とても大きな自然に圧倒されると、小さな自分の小さな悩みなど、きっとどうでもよくなるのでしょう。
ただぼけぇぇぇぇ〜と座り続けただけでしたが、海風に晒され、身体が冷えた頃には気分爽快になりました。
灯台を後にし、折り返し。
ゆっくり、ゆっくり進みます。
ゆっくりしか進めない…坂しかないから。
じいさん!!坂は始めだけだって言ったじゃないか!!
山はないのに、島内27kmで600mUPってどうゆーこどだよwww
12時に港に帰り着いたので、13時の出航まで、待合室で漫画を読んで、のんびり。
帰りの船内では爆睡でした。
好きなものを好きであり続けるためには、創意工夫が必要だと個人的に思っています。ぼんやり、なんとなく……いつも似たようなルート、見慣れた景色、行きつけのお店… 飽きるのは当たり前。
行き尽くしたと思える地域も、地図を深く見つめれば、「これなんだろう?」という場所はきっとあるはず。今回のように、船や列車を加えれば、旅感はグッと上がるし、B級グルメやスイーツを探しに出るのも良いし、カメラや写生や音楽やキャンプなど、ロードx“なにか”を組み合わせれば乗算効果や化学反応があるかもしれません。
趣味の世界で何かにハマる時、そこにはとても大きな「好き」と言う感覚が存在します。でも人は忘れっぽい生き物で、ともすれば、大好きなものさえも見失ってしまう。ちょっとした工夫や変化を与えることで「あぁそうか、だから好きなんだ」と思い出して、自分に与えられた「好き」という気持ちを大切に温めていきたいものです。