2016年05月

魔人の坂と遭遇!ゆるポタ王国の秘宝を探せ!平尾台で走馬灯ライド

福岡県北九州の南に位置するカルスト台地
平尾台

「男の価値は乗っている車で決まる」と言い切っていた糞ビッチ時代
によくドライブに来た甘酸っぱい思い出を持つこの地に、まさか自転車で来ることになろうとは、当時、天地がひっくり返っても想像出来なかったでしょう。
 
15screenshot
 
博多〜門司までの片道ライド。
 
愚かで愛らしかった10年前の自分自身を振り返りながら、自己最長となる150kmの走馬灯ライドです。
 

緩やかな八木山峠をさくっとクリアして、ダウンヒルに入り始めたその時、右手に

(;つд⊂)ゴシゴシ

  え?
 
(;つд⊂)ゴシゴシ
(;つд⊂)ゴシゴシ
((((;゚Д゚))))
((((;゚Д゚))))
((((;゚Д゚))))
異世界へ続く道が!!

もちろん行く必要はないのです。ルートには入ってないので、気づかなかった振りをして素通りすることも出来るのです・・・。

 
行ってみましょう!! 

逆走になるので車道を利用することは出来ません。坂の真下、助走ゼロからのスタート。
 
路面の◯印にもう既に自律神経が不安定です



おりゃあああああ〜 !!

あああ"あ"あ"あ" Σ(´д`;)
あははははは (゚∀゚)アヒャヒャ
あわわぁwfdかgkれ ヽ(TдT)ノ
 
テっ

誰だー!!!
こんなもん作ったのはヽ(#`Д´)ノ!!
分度器もって出直してこい!!!!

 
半分くらいでほぼ立ちゴケ。恨めし気に見上げてもその先に何があるのか、木々に遮られ見ることは出来ませんでした。

でも大丈夫、私には分かっている。この先にあるのは天国の門

ちょっwwww
怖くて降りられないwwwww
歩いて降りるのも怖いwwwwww

人は己の肉体と精神の許容範囲を超えると笑うのだな。
 
またひとつあまり公にされていない人体の不思議に迫ったところで、先へと進みます。


八木山峠を越え、飯塚を通過して北九州市に入ったところで、鱒渕(ますぶち)ダムでダムカードをGET!
 
サイクリングロードがあるようです。
あまり人が来ていないのかな?落ち葉が多いです・・・。

案の定、進むに連れて落ち葉や枯れ枝が増えてきました。
せっかく良い道なのにもったいないな。
滑らないように気をつけながら、のんびりと森林浴を楽しんでいると・・・。
 
右側に側道が・・・。


アハ アハ アハハハハ
なんか斜度がおかしいのがまた出てきた
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノ \ / \/ \ 

もうこれは明らかにおかしい。
あぁなるほど、世の中のすべての坂が人のために存在すると考えることが、そもそも人間の傲慢さだな。これは人間のためではない、満月の夜かなんかに異世界から召喚される魔人のための坂なのだろうな。

 行ってみましょう!!!
 
せいやっ!!!
ズルっ
うわっっ!!!!!!
 
ゴテっ

3mで後輪すべって走馬灯が見え、危うく帰らぬ人になるところでした。ちょっと膝小僧を打ちましたがw
やはりこれは魔人専用の坂でした。
 
 
ふざけてばかりいたので予定よりスタートが遅くなってしまいましたが、平尾台ヒルクライムスタートです。


斜度は10%超えるところはおそらくないのではないでしょうか。もうここまでで80km走っていて、途中の冗談みたいな坂にHPを削られてしまっているので、体感斜度はあてになりません。
平日の昼間なのでほとんど車の往来はなく、道も綺麗に整備されているので登りやすいです。



車では何度も登った道ですが、自転車で来るのは初めて。愛機とともに、自分の持つエネルギーだけで登って眺める景色と、エアコンの効いた車内から眺めていたそれは、似て非なるものです。

汗を滴らせながら、
 あ〜あ
暑いね〜
坂きついね〜
なんでこんなことしてるんだろうね〜
とぶつぶつ言いながらも充実感に満たされるのはなぜだろう。

休憩所、到着!!

アクエリアス本日これで5本目。私の身体、大丈夫?人間って一日にこんなにアクエリアス飲めるものなの ?







小休憩のあとは、いよいよカルスト台地の大自然に突入。

この開放感!!!!



心の赴くままクランクを回し、奥へと進むと天然記念物に指定されている千仏鍾乳洞があります。


【昭和10年、国の天然記念物に指定。この大鍾乳洞は、幾千万年の永きに渡り、カルスト台地の雨水によってつくられたものです。
洞内は四季を通じて気温16度、水温14度で、夏は極めて涼しく、冬は暖かであります。
照明設備は入口より900mまであり、老人や子供も容易に深勝することができます。
本洞は、480mから先は地下の小川の中をジャブジャブ歩いて探検気分が味わえる体験型鍾乳洞です。】 だそうです。 

階段を下った先にそれはあります。
 

小学生の頃に家族で来て楽しかった思い出がおぼろげにありますが、大人になってからここから先へは行ったことがありません。思い出の場所・・・入口だけでも見たいなぁ・・・。しかし鍾乳洞の入り口へは、かなり下まで徒歩で行かなければならないようです・・・。

 
行ってみましょう!!! 


 

入場料大人ひとり 800円
ランチ一食分か う〜ん
 
ちょっと落ち着いて考えよう。
サイクルジャージで汗だくのヘルメット被ったいい歳した女が
ひとりで鍾乳洞へ?
本気で?
 
・・・・・。

 
行ってみましょう!!!
鍾乳洞の半分は地下水が足首くらいまであるので、無料のスリッパを借りて履き替えます。
 

我、勇者クレメル。
失われたゆるポタ王国の秘宝を探し出し、この世に平地を取り戻そう!!(脳内劇場開演)


人ひとりがやっと通れるくらいの場所や、頭をがっつり下げないと通り抜けられないところなんかもあり、探検気分が盛り上がります。




平日の15時過ぎで、大きなカメラを抱えたお兄さんが一人撮影を楽しんでいたのと、家族連れとカップルがそれぞれ一組ずついただけで周囲は静か。自分の足音とどこかで流れる水の音が、鍾乳洞内に反響して神秘的です。
水ゾーン
キター(・∀・)!!
つwめwたwいw!!!!

薄暗い鍾乳洞中でも、足元流れる水がとてもに澄み切っていて綺麗なことが分かります。
 
ジャブジャブと水の中を進んでいくのですが・・・。
 

冷たい。
・・・・冷たい。
冷たすぎるー(ノ`Д´)ノ
!!!!!!!!
 
汗だくで登ってきたので、涼しい鍾乳洞内に入ってからは汗冷え気味。その上、流れる水は氷水のようで骨まで震えます。
まだもう少し先があるようですが、もう無理、限界、冷たすぎるわ。
 
千仏鍾乳洞 DNF
 


勇者クレメル。危険なトラップや、命がけの敵との戦いでではなく、水が冷たすぎて撤退という勇者界を震撼させるヘタレぶり。


再び草原を抜ける風に靡かれながら、幾千万年悠久の時経て創られた大自然の神秘に思いを馳せる自分に酔いしれるナルシストイベントを完了した時点で走行距離は約100km。
 


平尾台、絶対また訪れたい!!と思わせてくれる美しく楽しい場所でした。
どこかに隠されたゆるポタ王国の秘宝を探す旅はまだまだ続きます。レベル上げして再戦したいと思います。

ここから門司までは勝手知ったる道。残り距離もまだまだあるので、多少遠回りになっても平地を選び、母校を眺め、学校帰りに立ち寄った本屋の前を通り過ぎ、地元で人気のたこ焼き屋の店先でソフトクリームを食べたりしながら、のんびりとゴールを目指します。

生まれ育った思い出のたくさん詰まっている土地を、その当時には存在すら知らなかったロードバイクで走るのは感慨深いものがありました。
 
博多から北九州を往復するにはまだ私の脚力では無理なので、門司の友人宅で一泊させてもらい、翌日帰宅しました。
 
友人「は?本当に自転車で来たと?」
私 「うん。」
友人「頭おかしいね」
私 「うん。」

九千部山ならぬ・・苦戦部山!?クライマーの世界を垣間見よ!!

山登りの楽しみとはなんでしょう?

 
山にさほど興味のない人は、「山頂からの絶景を楽しむ」こと、だと考えます。確かにそれも一つの理由ではありますが、根本的な理由ではありません。景色を楽しむためならば、わざわざ徒歩や自転車で登る必要などないのです。エアコンの効いた車内で、ミュージックに耳を傾け、おやつを食べながらドライブしても、山頂からの景色は等しく美しいのです。

ではなぜ人は山に登るのか・・・。

なぜならそこに山があるから。

エベレスト三度目の挑戦で北東稜の頂上付近で消息を絶ったジョージ・マロリーの言葉。初めて耳にした時は「バカじゃね(°д° )?何言ってんだw。山?あったっていいじゃん。別に登んなくったっていいじゃんw」と思いましたが、ロードに乗るようになった今、実に的確にクライマーの精神構造を集約した名言であるとつくづく実感します。

山に魅せられた者は、極論、「山頂には展望台も何もないよ、木々が生い茂って下界の景色は見えないよ」と分かっていたとしても登るのです。なぜならそこに山があるから。坂があるから。斜度が気になるから。
 

以前は坂を目にしただけで、ああああーーーもうダメだあああーーもう終わりだああああーーー(TДT)と涙目で逃げ出していた私ですが、先日かんかけ峠に挑んだ時に、この精神に破綻を来した者たち(褒め言葉)=クライマーの精神世界を、ほんの少しだけ垣間見たような気がします。

もう少しその先の世界を観てみたい・・・恐いもの見たさから、自転車で登れる山を検索(この辺りからヒルクラ病感染症状が見受けられます)。

その中で 九千部山(くせんぶやま)が私の心を掴みました。

佐賀県鳥栖市と福岡県筑紫郡那珂川町に跨がる山。標高848m 背振山系。

13screenshot


私がよく行く山神ダムの近くです。

山神ダムは私がロードバイクを買いたてで、スニーカーにフラペだった頃、初めて本物の坂というものに出会い、コテンパンにされたほろ苦い思い出を持つダムです。家からも手頃な距離ということで、その後何度も訪れていますが、なんとその山神ダムの少し奥にある林道から登れるようです。
 
普段通り二日市方面から行っても面白くないので、以前から気になっていた那賀川南中学校あたりからつながる県道601を使って、行ってみることにしました。

(九千部山には福岡県那珂川町市ノ瀬からと鳥栖からのルートがあるそうです。鳥栖ルートは激坂まみれとのこと。)

今までの私の最高地はかんかけ峠の645m。九千部山は、それを200m程上回る強敵です。
検索情報によると、斜度は最高でも10%くらい。超激坂はない模様。そして山頂からは天気が良ければ、背振山はもとより、糸島、遥か彼方には久住連山まで眺めることが出来るそう!!
いつものように、坂に怯える気持ちはもちろん多いにありますが、好奇心が辛うじてそれに勝ります。


コンビニで補給用の羊羹とウイダーを入手。
 

ゴールドに手を出すところから、何かに縋りたいという気持ちが表れています。

那賀川南中学校近くから県道601に入ると、少しずつ登り基調となってきます。

魔王の住む城の麓の町に辿り着いたような緊張感。
あーなんで頼まれもしないのに、こんなところに来ちゃったんだろうなぁー

坂の途中で、さらに重なる坂を見つけました。


見上げるとかなりの斜度ですが、これくらいで心折れるようでは、848mには挑めません。自分に喝を入れるためにも一応登ってみます。

登れた( ;∀;)
こういう時、斜度が何%か分かればいいのに。またガーミンが欲しくなってきた。

次第に緑が多くなってきたなーと思ったら、あっという間に深い木々に囲まれました。


県道601号は林道の雰囲気が強く、車もほとんど通りません。斜度は4〜7%くらいでしょう。ダンシングすることもなく、周りの鳥の声や、流れる水音を楽しむ余裕もあり、実に気持ちの良い道です。
 






ほどなく大博多カントリークラブの看板のある分岐に差し掛かります。どちらからでも九千部山には行けるようですが、山神ダム方面からのルートを取り、左に進みます。

県道137に出ると「あーここね!!」。今まで知らなかった道と、知っている道が繋がるのは、なんだか嬉しいものがあります。

日吉神社横には自動販売機とWCがあり、今時なかなかお目にかかれない二宮金次郎の銅像があります。


 
日陰で休憩



ここまでで既に標高は350m程あります。少し脚は疲れたけれど、今から500mUPはどうにかいけそう。
 
ここでゴールドのドーピングを投入。英気を養い、いよいよボス戦開始です。


えっ!?ちょっっwww
門前払いwwww



ちょうど引き返してきた車のお兄さんが、徒歩や自転車なら行けるっぽいよっとのことだったので、ま、行けるとこまで行ってみて、途中で通れなかったらそれもまた運命。潔く今日のところは撤退しよう。

と先へ進むと



おそらく先日の地震の影響でしょう。自転車なら問題なく通れました。

登り始めると THE林道といった感じ。ガレているところはあまりありませんが、落ち葉や小さな小石がコロコロしているので注意が必要です。




斜度は先ほどの県道601より少しきつめ。7%から、ちょっときついところで9%くらい。ダンシングでないと登れないといったような斜度ではありませんが、600mを超えた辺りからちょっとずつしんどくなってきて、たまに立ち上がって筋肉を伸ばしながら、進んでいきます。800m越えという未知の領域のため、無理は禁物。


スピードは気にせず、時速6〜8kmのゆるゆる登坂で頑張ります。

それにしても木々の密集率が高い。かなり登ってきたはずですが、立ち並んだ木々が途切れないので、全く下界が見えません。登坂途中、辛くなっても、時折木立の切れ間からご褒美風景をチラ見せしてくれれば、少し気持ちも復活するのに・・・と不平を漏らしてみても、九千部山はそんな甘えを許してはくれません。
 
これで山頂から良い景色見せてくれなかったら、どうなるか覚えとけよ(`ヘ´) !!
などと坂道に悪態をつきながら登ります。

こうなったら『山頂からの景色は最高!』との先輩ローディーのブログを信じて、ひたすら登るしかありません。景色は楽しめませんが、木陰が続くので日焼けの心配はないし、涼しいのでヒルクラの辛さを少し軽減させてくれます。
九千部山、これがあなたなりの優しさなのね。


途中開通記念の石碑があり、ここ謎の林道は、箱谷林道という名前だと判明。


林道の出口はT路になっており、ここまで足付きなしで登ってきましたが、ルート確認のため足付き。ここまででだいぶ疲れてはいますが、脚を着かないと耐えられない程追い込まれてはおらず、道を知っていれば脚を着かずにクリア出来ただろうと思います。ただ今回は足付きなしにそんなにこだわってはいなかったので、良いでしょう。

750mを超える辺りから、斜度が上がったような気がします。脚が削れて、力なく進んでいるので実際の斜度UPよりもきつく感じます。ダンシングする回数も増加。それほどきつくないような見た目のワインディングも突っ込んでみると、予想以上にクランクが回らず、慌てて立ち上がり踏み込むといったシーンも出てきます。
 
そしてこの辺りから露呈してくるのが、体幹の貧弱さです。低速で登っている時間が長くなる程、それを支える上半身にも付加がかかります。上半身を上下左右に無駄に振ることは、エネルギーロス。分かってはいますが、頼りない体幹がへばってきて、上半身はブレブレ。
 
800m付近までは、頑張って意識的に修正しようとしましたが、800mを超えると
もうどーでもいいよ、とりあえず辿り着きゃいいよ(TДT)



なんとか頂上まで辿り着くと、展望台まではテレビ塔の横を通って徒歩で行かねばならない様子。


どれくらい先があるのか分からないのでクリートカバーを着けて自転車を押しながら進むと、ほどなく視界が開け展望台が姿を現しました。





少し霞んでいますが、絶景かな絶景かな。
 

ご覧下さい。あちらに鎮座されているのが、鬼神 背振山様で在らせられます。


一つ不満を言うならば、この景色は展望台に登らなければ見れないため、ロードバイク+絶景という写真が撮れないということ。展望台の階段は狭く自転車は持って上がれません。


GW期間中ということもあり、車で上がってきた家族連れ3組それぞれに
「ここまで自転車出来たの?へええーー、信じられん(゚ロ゚;)!?」と言われました。

そりゃそうでしょうとも、登ってきた本人も信じられないですから

帰りは落ち葉でスリップしないように下ハンを持ってゆくり丁寧にダウンヒルしていきましょう。



二宮氏に帰着の報告をし、



山神ダムにて、しばし回想タイム


インナーローで時間をかければロード購入から半年の女性でもそれなりに楽しんで登れるようです。

そしてどうやら今の私が、坂道に不平不満をぶつぶつ言いながらでも、楽しんで登れるのは斜度10%が限界。それ以上の、例えば糸島白糸の滝(裏道)のようなリアタイヤが空転してしまうような激坂は(今思い出しても身の毛のよだつ)まだまだ脚力、体幹ともに不足しています。

とはいっても筋トレとかキライだからなー。ちょこちょこ乗ってたらそのうちちょっとは筋力つくんじゃないかなー。

ひと山制覇したところで、私もクライマーの気持ちが少し分かるような気がしてきました。

翌日、昨日見た鬼神 背振山のスペックを確認していたところ、ある記事が目にとまりました。
 
「背振山(標高1000m)を登った後、九千部山(848m)のWクライムがクライマーに人気のルート」

ごめんやっぱりクライマーの気持ち全然分かんない((((;゜Д゜)))

走行距離56km
ave 14.6km/h
獲得標高 1681m
 
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corratec DOLOMITI に乗ってます。 貧乏・貧脚・貧メンタル。激坂手前ですでに半泣きですが、愛機 蜂蜜号と楽しくライドしています。小心者な昭和の女。ぼっち活動を得意としています。 どうぞ仲良くしてください。
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